桜ちゃん(仮名)
1994年生まれ・女の子
ダウン症
日常生活の中での対応
●子供に選択させる
日々の生活の中で「彼女に選択させる」ということを意識してやっています。それぞれの選択肢にどういうメリットとデメリットがあるか説明し、その上で選ばせます。自分の選択の結果、次ぎに何が起きるか、その因果関係を実体験でもって習得する事。また、自分が選択した結果に責任を持つという事を学んで欲しいと思っています。 ママ 朝よ、起きなさい。 桜 まだ眠たい ママ そう、もう少し寝る?でもそうするとご飯を食べる時間がなくなるわよ。 今起きればご飯を食べる時間があるわよ。 桜 ・・・・・ ママ もう少し寝て、ご飯を食べないで学校に行く? それとも、今頑張って起きてご飯を食べて学校に行く? 桜が選んでいいよ。 桜 ・・・・起きる。 と言うような感じで私も怒らずに済み、桜も自分が決めたことだと、その後がわりとスムーズにいきます。ただ一度、「寝る」を選択したときは、後で「やっぱり食べたい。」と言い出しましたが、 「さっき寝る代わりに、ご飯は食べる時間がないよって言ったよね。 だから、お母さんは桜のご飯は作ってないよ。牛乳だったら冷蔵庫にあるから飲んでもいいよ。」 と心を鬼にしてお約束を守りました。 その後は順調に起きています。
空間における方位の媒介
●『~から何番目』の媒介(9歳)
物のある場所を言葉で表現する為の媒介を始めました。 上、下、右、左、前、後ろ、中、外、空間における方位を表す言葉はまだまだ沢山あります。 それに加え、「上から3番目」「歩いて3分ほどのところに・・・」のように数、時間なども絡んできます。空間知覚は、自分の立っている場所が変化すると、まわりの世界も変化する、という関係の相対性を知るために大切な機能で、思考の柔軟性をそだてます。 今一番彼女が混乱しているのが、「~から何番目」というところのようです。 ATMなどを使うときに「上から三番目を押して」などとやらせて見ますがどうも安定しません。3つ目を数えることはできるのに、「~から」が入ると急に混乱してくるようです。不思議です。かなりの回数取り組んでいるつもりですが、わかったかなと思っても次にはまた混乱していたり。
先日は、アドバイスをありがとうございました。なるほど、「一番○を含めるかどうかがわからないのかも」という可能性は大いにあり。私はその説明をしているつもりでも、彼女の中には、整然としたものとして入っていっていないのかもしれませんね。
昨日は、久々に小さいときに読んでいた五味太郎さんの「かくしたのだあれ」を引っ張り出してきて、 「桜ちゃん、母さんに呼んで。」とおねだりをしてみました。 この絵本は、左ページに「てぶくろかくしたのだあれ?」 右ページには二羽の鶏の絵があり、右側の鶏のトサカが手袋になっている・・・という絵本です。 ページがすすむにつれて右ページに出てくる数がどんどん増えてきます。 うまい具合に乗ってくれ、私が「右の鶏」「一番上のわに」「上から二番目の狸」「右側の上から二番目のかに」・・・・ という風に答えていきました。 その際わざと間違えて答えてみたり。 すると「ちがうよ~」というところをみると、確実なものとはなっていなくても、わかってはいる様子。私が間違えるのが楽しいらしく、何度もやってくれました。 この親が間違える・・・というのは、結構子供のやる気を引き出すものかもしれませんね。 「お母さんダメね。私が教えてあげる。」みたいな感じで。