認知構造変容理論

” You are Human, You Are Modifiable.” – Reuven Feuerstein

「人は変容可能である」〜ルーベン・フォイヤーシュタイン

The theory of structural cognitive modifiability (SCM) views all human characteristics, including personality, cognition, and behavior, as modifiable “states,” regardless of etiology, age, or severity of the condition.  (“Don’t Accept As I Am” p. XXV. )

「認知構造変容理論」 (Structural Cognitive Modifiability) とは、人間の特性(性格、認知、行動全てを含む)を変容可能な「状態(過程)」と捉える理論です。固定化されたものではなく、何才であろうと、病的や機能的問題があっても、「人は変わることができる」と考えます。

認知構造の変容は自然発生的なものではありません。特に機能水準の低い人の場合、「認知構造は必ず変容する」という強い信念に基づいた指導者の介入が必要です。その介入を「媒介 Mediation 」と呼び、媒介がある学習を「媒介学習体験 Mediated Learning Experienceと」呼びます。

認知構造変容理論  についてさらに具体的に説明すると….

「認知」とは?

「認知」とは、知覚、記憶、学習、思考などの基本的な機能を表しています。

  人間の営みはすべて「認知」と関係があります。

「構造」とは?

建物の構造などは一度出来上がってしまえば動きませんが、心理学的な「構造」は、その構成要素が相互にダイナミックに働きかけ影響しあうシステムであると考えます。

「構造が変化する」とは?

構造の構成要素をなす機能が変わってゆくということです。最初はかなりの時間が必要だった作業が、指導を受けることによって、集中力や柔軟性が高まり時間が短縮されることがあります。このように高められた集中力や柔軟性は、一時的に変わったのではなく、永続性を持つようになります。

「記憶」は代表的な認知構造ですが、「記憶」には、知覚的要素(たとえばはっきりと見ることなど)、知的要素(内容の理解)、動機的要素(覚えなければならないことへの興味など)などが含まれており、これらの要素は相互に関係しています。これらの要素のひとつに変化が起こると、例えば動機的要素である興味が増すと、それが知覚的要素や知的要素にも影響を与え、はっきりとものを見るようになり、理解が深まってきます。

「緻密さ」も認知構造のひとつですが、緻密さを獲得した人は、その人が行う活動のすべてに緻密さを発揮します。機能水準が低い、IE が低いと言われた人でも、最初は存在しないのも同然だった「緻密さ」といった認知構造が、正しい指導を得て、構成要素である機能の訓練を繰り返し行うことによって強くなり、構造全体に変容が起きるのです。